ミャンマー中部で発生した大地震の被害に遭われた方へ、謹んで哀悼の意を表するとともに、被災地域が一日も早く復興し、皆様に平穏な生活が訪れますよう心よりお祈り申し上げます。
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開設当初、日本に在住しているインドの方々を中心にご愛顧いただいていたアンビカオンラインショップは、次第にインドに関心を持つ日本の方々にも広く認知され、個人のお客様の他、カフェやレストランなど多様なお客様からご利用いただくようになりました。今日では、インド、日本の垣根を越えて、ネパール、ミャンマー、ベトナム、タイ、インドネシア、中国などアジアを中心としたさまざまな国のお客様が、私たちのオンラインショップへ往訪してくださっています。
中でも、東南アジアの一角に位置し、豊かな自然と多民族国家としての文化が息づくミャンマーからは、近年日本へと移り住む方が急増しており、日本の町中でもミャンマー語を耳にする機会が増えてきました。本記事では、ミャンマーの歴史や食文化を交え、日本に暮らすミャンマーの方々のリアルな食生活について、掘り下げてみたいと思います。
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多様性と変化の国
ミャンマーは、タイ、中国、インドと国境を接する地理的特性から、古くからさまざまな文化の影響を受けてきました。仏教が広く信仰されている一方で、130以上の少数民族それぞれが独自の文化や言語を持ち、多様性が大きな特徴となっています。
近年は、政治情勢の不安定さや経済的な困難により、国外での生活を選択する方も多く、日本もその移住先のひとつです。
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日本在住ミャンマー人の食生活
※本記事で取り上げる事例は、あくまで一例であり、代表的な事例ではありません。予めご了承ください。
どこにいても、母国の味はやはり懐かしいものです。しかし、出汁や発酵調味料と旬の野菜を組み合わせることを主流とする和食の国で、ミャンマーの料理はどのように再現されているのでしょうか。
1. 米
ミャンマーは米の国として知られ、特に人気があるのはミャンマー産のポーサンモエ(Paw San Hmwe)という米です。バスマティライスやジャスミンライスのように香りがあり、日本の米よりパラパラしています。
2. 発酵食品
魚やエビを発酵させたペーストなど、発酵食品を使います。
3. 生野菜やハーブの活用
料理の付け合わせや薬味として、コリアンダー、玉ねぎ、にんにくなどが頻繁に登場します。
4. スパイスと豆
スパイス使いはインドのように複雑ではなくマイルドで、よく常備されるのは、ターメリック、クミンパウダー、コリアンダーパウダーなど。パプリカパウダーは、色づけのために手作りする人もいます。緑豆、ひよこ豆、レンズ豆など豆類もよく使われます。白エンドウ豆は、発芽させてサラダに。
5. 油をたっぷり使う調理法
特に伝統的な料理では、揚げ物だけでなく、煮込み料理にも油をたっぷり使います。
6. 代表的な料理
・モヒンガー(Mohinga):魚出汁と米麺のスープ。国民食とも言われる定番の朝食。
・ラペットゥ(Lahpet Thoke):爽やかな酸味と香り、新鮮な野菜とナッツやゴマがアクセントの発酵茶葉サラダ。
・チェッターヒン(Kyet Thar Hin):タマネギ、にんにく、ショウガをたっぷり炒め、スパイスを加え、トマトと魚醤で風味を出し、鶏肉をじっくり煮込んだカレー。
7. インドとの食文化のつながり
先程も触れたように、ミャンマーの食文化には隣接するインドと近いものがあります。
たとえば、サモサやチャパティ、パラタは、最大都市ヤンゴンでも馴染みのある存在。インドのビリヤニに似たミャンマーの炊き込みご飯「ダンパウ」は、バスマティライスで作られる特別な料理で、誕生日や結婚式、仏教行事などでも振る舞われます。
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異国の地での生活は、簡単ではありません。食材は、日本のスーパーマーケットのほか、ミャンマー食材店やベトナム食材店、オンラインショップ、SNSを利用して調達することもあるとか。
また、最近では、SNSで毎日の料理や暮らしについて発信する人も増えているそうです。移住先で見つけた食材を使い、工夫しながら作った母国の食卓を共有する姿勢は、温かさとたくましさが感じられますね。
アンビカオンラインショップでは、さまざまなライフスタイルや関心を持つ皆様が、より身近な食材にアクセスしやすいよう、順次コレクションを公開していく予定です。ぜひ日々の生活にお役立てください!